X-ファイル シーズン6 第17話 電界

竜巻の影響で、物体をすり抜ける能力を身につけた囚人ピンカーが脱走し、自分が刑務所にいた間に生まれた息子トレバーを取戻すために奔走するエピソード。

★★★★★

物体をすり抜けると言えば、私の中では、うちはオビト。なんですが、これはちょっとマニアックでした。

そんなことより、「普通の面白さ」です。退屈ではありませんが、1回見れば終わり。どうもFTF以降はこれだ!と来るようなお話が来ません。かつて盗んだお金ではなく、自分の子供を取り返しに来たというところで、なんとなーく結末が見えてしまいます。

気になったのがトレバーの母親のジューン。顔立ちは「そこそこ」でキレイと言ってもいいんでしょうけど、根性が悪いんでしょうか。偶然見つけたとは言ってもピンカーが盗んだ9万ドル!を家の頭金とか勝手に使い込み。普通はビビって警察に届け出る金額です。

他にもタバコ吸ってたら護衛の警察官に「ここ禁煙ですよ」と言われてふてくされたように消して投げ捨てるとか。アンタのせいで護衛の警官、殺されちゃってるだけど。被害者ではあるんですが、あんまり望ましくない人物としたかったのかも。

新しい男もしょぼかった。まずは脱獄囚に狙われているんだから、過去はともかくとして守るとか姿勢を見せればまたそこで絆が深まったのかもしれないけど、「オレ関係ないし」ですから。

今回のわからん

最後は、スカリーと息子のトレバーが電話ボックスに逃げ込むんですが、追って来たピンカーにガラスを破壊されて、息子を連れ出すあと一歩のところで、何故かピンカーは突然あきらめたような悲しい表情。

おびえた息子の顔を見て、例え連れ出して、自分が父親であることを告げたところで、この子の幸せにはつながらないと、考えたんでしょうか。ここに来るまでに3人も殺した凶悪犯とは思えない悲しい表情でした。ただし、そんなシリアスな場面も下半身丸出しですけど。

凶悪犯にも親の顔があるということを描きたかったのか、それにしても途中で全く無関係の護衛の警官を殺害しているし、何とも中途半端な印象を受けました。

X-ファイル シーズン6 第16話 絶滅種

普通でした。可もなく不可もなく。激しく面白い!とは言えませんが、つまらんです。というわけでもない。最後まで飽きることはありませんが、割と早いうちに、「人間が犬に変身する」のがわかるシーンがあります。

★★★★★

例えばわざわざDVDをレンタルしたり、デジタル配信で購入するようなものでもないかな、というのが率直な感想です。

スカリーの吹き替えは相沢恵子さん。この人をおいて他にはいない!と言い切れるほど素晴らしいんですが、前回も気になったんですが、この時は風邪でもひいていたんでしょうか。ちょっと普段とは違う感じでした。

今回のポイント

150年前に絶滅したと言われているワンシャン・ドールというアジアの犬が、殺人事件を引き起こすんですが、イヌの権威カレン先生によると、「高い知能を持っている」そうです。

事件は、学者のデッドワイラーがイヌを捕獲したつもりが、実はイヌに捕獲されていた。昼は人間の姿で夜はイヌに変身し、殺人を繰り返すというものなんですが、「高い知能を持つ」イヌがほぼ無差別的に人間を殺してしまう理由が何ともわかりませんでした。

襲われても死亡を免れた担当官は、イヌを始末しようとしていましたからわかりますが、それ以外の被害者は、殺される理由ってないんです。じゃあアレは「高い知能を持つ」ワンシャンドールではなくて、何かもっと別の、それこそX-ファイル的なイヌの姿をした凶悪な未知の生物なのでは?

スカリーさん、やきもちをやく?

私は狼男ならぬ「イヌ男」よりもこっちが気になりました。レインキングでは、モルダーがシーラに強引にキスをされる場面に遭遇しても、「やれやれ・・・」という余裕の表情を見せていたスカリーですが、今回はちょっと違いました。

カレンが操作するマウスの上にモルダーが手を重ねた時に、スカリーにカメラが切り替わるんですが、ピキっと。え?どうしたのスカリーさんって。これは驚きでした。なんかコレ必要なのかなって?

それ以外でも、カリンとの仲を「そんなに親しいの?」と突っ込んでみたり、カリンにはちょっと挑戦的とも思われる態度をとってみたり。あげくの果てにはカリンに「やきもちかしら」なんて突っ込まれて。あれれ?スカリーさんどうしちゃったの?と思わされるシーンがあります。

レインキングではシーラに「妬いてるんだ」と言われても余裕で「何ですって?」って返せていたんですけどね。ま、そんなスカリーも可愛いんですが。

モルダーに対して素っ気ない態度をとりつつも実は奥に潜むカリンの恋心を見抜いたスカリーだからこそ、暴走気味に見えたのかもしれません

今回のわからん

デッドワイラーが自分のところに来ることを予期していたカリンですが、いざ現れると用意していた銃を置いてしまいます。何故?

事件のことをモルダーに知らせたのは、カリンですが、モルダーならワンシャン・ドールを傷つけることなく捕獲してくれると思ったのか。あるいはデッドワイラーが変身していることを見抜いてくれると思ったのか。暴走スカリーちゃんによれば「モルダーに会うために仕組んだ」そうですが、それはなさそうです。

でもカリンのような女性は、私的にはドがつくぐらいのストライクでありました。それだけに悲しい結末は残念。

X-ファイル シーズン6 第15話 スイート・ホーム

なんとも微妙なエピソード。見ても見なくてもどっちでもいいです。緊迫感があるようでいてない。冒頭にいきなり「実行犯」の土人形みたいのが出て来ちゃって、これがあんまり怖くない。

★★★★★

とは言っても見所は、事件とはあまり関係のないところでしっかりあるんです。

親切ながらも異常なほど「規則」にこだわるアルカディアの住民たちには不気味さはありますが、見ていれば、組合長のゴゴラックがワルモノ!、不本意ながら住民たちはそれに従っているだけ。と割と早い段階で想像がついてしまいます。

ゴゴラックが規則にこだわるのは、ひとまずわかるとしても、規則のために土人形を使ってまで殺人を犯すというのが、どうにもわかりませんでした。偏執狂とでも考えておけばいいのか・・・

アルカディアの評価を高めたいだけかもしれませんが、そのために殺人までというのはどうにも納得がいかないところではありました。

モルダーはゴゴラックが「土人形に命を吹き込み、それを操り規則を守らない住民を殺害している」ことを理由に拘束、起訴しようとしますが、さすがにコレは真実であっても無理!せっかくスペンダー捜査官の命がけの提言でX-ファイルに戻れたのに、報告書を見ては頭を抱えるスキナーが目に浮かびます。

実はココが見所

スカリーと夫婦役を演じることが出来て本当に嬉しそうなモルダーと、あくまでも「捜査の一環」で冷静なスカリーの対比は面白いです。もしかしたらこれが最大の見所かも。

潜入捜査はスキナーの案らしいんですが、事前にモルダーがスキナーに「副長官、お願いします!スカリーと夫婦を装って潜入捜査が出来るように取りはからってください!」って懇願したか?というぐらいに夫婦役に熱の入れよう。

スカリーは1、2回「そうね、ダーリン」と呼んだようでしたが、モルダーはやたらとスカリーに向かって「ハニー」を連発。

人前では夫婦を演じるためとはいえ、やたらと肩を抱き寄せてみたり。スカリーもまんざらではない?と思いきや人が去ったあと、「いつまでやってる!」とばかりにモルダーから離れます。

ここぞとばかりにスカリーを抱き寄せるモルダー

 

顔に緑のパックをしているスカリーを見て、驚くモルダーですが、調子に乗って顔面パックスカリーを、「夫婦だろ」とベッドに誘ってみたり。

サンドイッチを作れ!と命じてみたものの、顔に手袋が飛んで来たりと。

私にとって最大のツボがウィン夫妻から食事に呼ばれて、出会いのいきさつを聞かれた時にモルダーが答えた「UFO大会だった」と嬉しそうに答える(捏造する)シーン。

ここでも調子に乗りまくってスカリーの肩に手を回し、「僕はそうでもないんだけど、ローラ(スカリー)が熱心」だの、「すっかりハマっちまって振り回されているよ!あはははは」だのなんだのと。調子に乗り過ぎ。

この役が出来て本当に良かったね。と突っ込みたくなるほど嬉しそうなモルダー。

心なしか、こわばりつつも作り笑顔で調子を合わせるスカリーですが、「モルダーてめー、あとでわかってんだろうな!」ぐらいは思っていたかもしれません。

モルダーの「イルカは可愛いけどうまい」発言で微妙な空気になってしまったディナーの席を唐突に「あははははは!」と取り繕うスカリーさんでした。

スカリーの若奥様風のファッションもサマになっていて、どうも肝心の事件の解決とは関係のないところが見所になっていました。

X-ファイル シーズン6 第14話 月曜の朝

モルダーが「月曜の朝」のループから抜けきれない女性パムを救おうとするエピソード(多分)。どう見ても心臓のあたりを打ち抜かれているモルダーの冒頭のピンチには驚きましたが。

★★★★★

緊迫感があり、またモルダーのウォーターベッドが破れて部屋だけでなく、階下まで水浸しになるというコメディ的な要素もあり、まあそこそこ楽しめるんですが、どうもそのループに馴染めずに、3回目ぐらいになると「え?また?」なんて印象も受けました。

あのウォーターベッドはドリームランドでのニセモルダーのモリスの置き土産なんでしょう。記憶は消えてしまっていても、モノは残っているんですね。スカリーが不思議そうに眺めていた十字形に組合わさったコインもそうだし。

ループで少しずつ現実が変わっているのはわかるんですが、結果はモルダーもスカリーもバーナードも爆死するというのは同じ。だんだんとモルダーは既視感で「爆弾」を思い出し、最後は爆発を未然に防ぐんですが、パムはバーナードに撃たれて死亡という、X-ファイルらしいといえばらしいんですが、思いがけない結末を迎えました。

ミソロジーの大物はシーズン最後に

これの二つ前にはシーズン6の最高傑作にして、今までの政府の陰謀に一つの区切りをつける、ファイト・ザ・フューチャーPart1Part2がありました。

どうも私は思い入れが強い方なので、ああいった大物を見てしまうと後が見劣りとまではいいませんが、どうしても物足りないという印象を持ってしまい、なかなか素直に楽しめません。

あの後がどうしても気になるんです。ダイアナはどうでもいいんですが、あの現場から逃げることに成功したスモーキングマンは今一体何をやっているのか?とかね。壊滅した組織は一体どうなった?とか。

ミソロジー系がシーズンの真ん中に入るのは何もシーズン6が最初ではありませんが、それでもファイト・ザ・フューチャーはこれまでの政府の陰謀に決着をつけるといういわば、シーズン6だけではなく、X-ファイルのこれまでの総決算でもあったわけですから、どうもシーズン6はあれで終わった的な感覚になってしまいます。それほど強い印象が残ったエピソードでした。

まあ、こんなことを言っていると残りが楽しめなくなってしまうので、なるべくがんばってフラットに眺めることができるようにしたいですね。

クワンティコ FBIアカデミーの真実 第9話 仕込まれた証拠

Dlifeで放送中のクワンティコ FBIアカデミーの真実 第9話「仕込まれた証拠」の感想です。第7話「犠牲の精神」、第8話「一大決心」と、かなりいい感じで来ました。前回のラストでアレックスが捜査本部に出頭したので、今回から流れが変わりそうですが、さて。

★★★★

今回もすごく面白い!今までのスリリングな逃亡生活から、一転。アレックスがFBIに出頭したので動きが少なくなるかと思ってちょっと心配はあったんですが、それを上回るスリリングな動きがありました。

退学になったイライアスがアレックスの弁護士として登場したり、同期のメンバーがほぼ全員アレックス側について証拠を集めたり、アレックスが一時的に別の機関に拘束されたりと、見所たくさんで見応えがありました。

X-ファイル シーズン9が始まるまでの「つなぎ」程度に見始めたんですが、ぐいぐいと引き込まれます。

見逃した方には、来週迄の期間限定ですが、Dlife公式サイトの「見逃し配信」を強烈におすすめします。

今回のポイント

相変わらず、過去と現在がひんぱんに入れ替わり、少しわかりにくくもあるんですが、実は書き出してみるとそう複雑ではありません。印象に残ったところをまとめてみると。

レックス、連邦判事に罪を認める

これが一番大きな動きです(ラストですが)。一応は「アレックスを信じた」オコナーが真犯人を捕まえるための作戦のようですが、オコナーを信じ切っていいのか。あえて「犯人に次の動きをさせる」のが目的ではあるんですが。

オコナーはどうもうさんくさい。第4話で射殺命令を出したのはクレイトン「不倫おやじ」ハース部長ですが、その前に「なるべく生かして拘束」と捜査チームに指示したのはオコナー。つまり場合によっては「射殺も可」ですから。

それが今回のたったの数時間で100パーセントアレックス側につくとも思えません。爆破テロの実行犯ではないのかもしれませんが、何らかの形で関わっているのは間違いないはず。なのでこのまま「よっしゃ!」とばかりに一気に立件→有罪確定へ、の流れだって十分にあり得るはず。

入学前からライアンにアレックスの監視を命じたのはこの人。一時は自主退学に追い込むようにライアンに指示を出していましたが、あれは何だったのかわかりません。もしかしたら、アレックスを守るために自主退学させることで、陰謀に巻き込まれることを避けたとか?それはないですね。

このまますんなりと同期のメンバーとオコナーで
「あとは残ったオレらで真犯人を見つけよう!」
「おー!」
と行くとも思えません。もしそうだとしたら、お話としては単純過ぎるんですよね。あと一波乱どころか、いっぱい波乱はありそう。

でもアレックスを犯人に仕立て上げたいのであれば、HIG(重要拘束者尋問グループ)に連行された時点でほっとけばいいわけで。わざわざ救出したのは、無実を信じているから?うーんわからない。

HIGに連行され、窮地に陥ったアレックスとライアンを救出したのはオコナーと他捜査員でしたが、それにしてもケイレブ、ニマとレイナ、ナタリーがアレックス無実の証拠をオコナーに見せ、ケイレブが「取戻せませんか?」と言ったから。

このままだとオレの立場ないから、あいつらはあとで説得するとして、ひとまずはHIGから取戻すぐらいはやっておくか。というほうが、しっくり来ます。

イライアスがHIGの危険性を指摘しても、クレイトンとリアムはあきらめムードだったし。

イライアスが登場。アレックスの弁護士に

驚きましたが、カッコよかったですね。意外でした。アレックスとイライアスの接点は、イライアスがアカデミーを退学になった時点で何もなかったようでしたが、第4話で、アレックスが卒業後のイライアス(退学だけど)について「FBIを相手に何度も無罪を勝ち取っている」と把握していたシーンがあったので、出頭前に弁護を依頼したのはうなずけます。

ケイレブ、ナタリーがアレックス側に

今回でレギュラーと思われる同期がほぼ全員、アレックス側につきました。オコナーとは違ってこれは信じて良さそうです。多分ですが。「コネぼんず」との印象が強いケイレブがしっかりと自分を持っていました。

イライアスと組んで、テキパキとニマ、レイナに指示を出すところがカッコいい。反面、不倫おやじは何も見せ場がありません。

あと卒業後で出て来ていないのはブランドンでしょうか。

カルロス生き返る・・・わけがない

バイオハザード2でアリスを助け、バイオ3でゾンビ共と爆死したカルロスが出て来たので「おおっ!」と思ったんですが、「証拠集めのためならなんでもやる」重要拘束者尋問グループHIGのグリフィン捜査官で悪役だったのが残念。

レックスを別の場所に連行し、目の前で負傷したライアンを痛めつけ自白を引き出すという非道ぶりを発揮。あれほど頼もしく見えた「アンノウン」がHIGに拘束されてしまったのが、悲しい。

私の中では アリス>カルロス>ジル なのでせっかくですから、もっとカッコいいカルロス(グリフィンだけど)を見たかった。

このHIGは実在の機関。オバマ米大統領、テロ関連の新尋問チーム設置を承認

少しイラつくアカデミーでの過去

5点満点で4点としたのは、アカデミーの過去で少々イラつく場面がありました。何故かオコナーが欠勤を続け、酒浸りの毎日。アカデミーの教官としてちょろ過ぎ。なのにアレックスがそれを何とかしようとする場面があります。ほっとけばいいと思うんですが、リアムは単なる「かまってちゃん」です。

それを知ったライアンはかなり複雑というかキレそうになっていましたが、これはわかる。アレックスとしては父親を重ねたのかもしれませんが、「オコナーからアレックスを守る」ためにあえてアカデミーに残ったんですから。というか、ライアンもさっさと「キミをオコナーから守るために残った」って言っとけよって。

クワンティコ青春白書は勘弁ですが、ライアンが父親や母親の秘密を抱えるアレックスの支えになっていたことは間違いありません。唐突なラブシーンはいりませんが、第7話でお互いの誤解を解いたあとの手と手が微妙に触れ合うシーンなんてすごく良かったんですけどね。

「オレは職場に戻る。残った理由(=アレックスをオコナーから守る)が間違っていた」とアレックスに告げるライアンが少々切ない。でもちゃんと言っとかないアンタも悪いだろうって。これがもとで傷心のライアン君は、ナタリーと急接近?

ライアンがいなくなれば、アレックスにとって痛手になると思いますが、次回予告ではまだアカデミーに残っていました。

怪し過ぎるサイモン

アカデミーではヘブライ語で、かつても出て来た「爆弾職人」オーレン(元イスラエル国防軍)と連絡を取る等。怪しさ満載。卒業後はアレックスを助けてはいますが、どうしても「グレー」な感じは拭えません。

そんなサイモン(アカデミー退学)を潜入捜査官に任命したクレイトンも怪しい。

イライアスもクレイトンに誘われたと言っていましたね。退学させたものクレイトンだそうですが。

特別講師を告発した件は確かに誰かに相談していればよかったのかもしれませんが、それにしても全員から突っ込まれ過ぎて、ちょっと可哀想でした。

え?何でそこまで?というぐらいの突っ込みの激しさ。「鬼の首でもとったように」「親の敵みたいに」そんな感じで、ちょっと理解できません。

これがサイモン退学(第3話)の原因になったのであれば、FBIも組織としてどうなのっていうのはあります。爆破テロに関わっていたかどうかはともかく、キャラクターとしては他のどの研修生よりもクセがあって魅力的なので退学されると困ります。

際立つ特別講師

今回の怪しい特別講師ラングドンはすごく良かったのではないかと思います。上品で知性的な感じですが、サイモンに疑われた時のハンバーガーを食べる仕草が怖い。ハンバーガーじゃなくて、サイモンの首根っこに食いついて引きちぎりそうなイメージ。

こういうキャラクターがいいんですよ。オコナーやミランダが怒ろうが怒鳴ろうが、「怖さ」を感じない。だからどうしてもドラマ全体が軽く見えてしまうこともあります。

今回のMVP

ケイレブにします。「過去」のアカデミーでは相も変わらずトレーニング中にシェルビーと「夜の格闘技」をおっぱじめたりしますが、「現在」では、アレックスの無実を証明する側に付きました。母親の件があったのでどうかと思ったんですが、グッドウイン捜査官の件も調査済み。カギを握るかもしれないグッドウインが死亡していたのは驚きでした。

研修では、優秀ながらも引っ込み思案的な印象のあるレイナを自分のチームに誘うとか、結構いい奴っぽい。過去の人質救出訓練ではパニックに陥った双子のどっちかをしっかりとサポートしていましたね。

X-ファイル シーズン6 第13話 アグア・マラ

40年前にXファイルを発掘した伝説的な人物(モルダーの証言)、アーサー・デールズの依頼でモルダーとスカリーがハリケーンが迫るフロリダまで出向いた事件。

★★★★★

ものすごく面白い!というほどではありません。まったくダメではありませんが、見逃してしまったとしても「まあ、いいか」で済ませられるようなエピソードでした。11話12話でスタッフの皆様が気合いを出し尽くしてしまったんでしょうかね。

前2回がシリーズ最高傑作と言ってもいい内容でしたから、その印象で見劣りしてしまうのかも。放送がその前であればまた別の見方も出来たかもしれません。

中途半端な印象

冒頭のシーンは母と息子が明らかに「何者かの侵入を必死で防いでいる」という緊迫していたものの、それ以降がどうにも、コメディのような、そうでもないような中途半端な感じではありました。コメディ回はダメってことではなくて、レインキングにしても、トライアングルにしてもいい出来で楽しめましたんですが、これはどうも中途半端感があります。

「謎の生物」に襲われるかもしれないという緊迫感はあるんですが、舞台となったアパートの住民にこそ泥がいたり、「このまま我慢すれば膀胱が破裂してアンタの子供が溺れ死ぬわよ」の強烈すぎる印象を与える妊婦と、「車もなければ定職もない」という恐妻家すぎる夫がいたり。

そうかと思えば、最初にデールズに依頼されたシプリー家なんか「謎の生物」に襲撃されて全滅しているわけで、コメディではすまん!とも思えます。でもBGMはちょっとヌケた感じのやっぱりコメディ風だったりと。

謎の生物に襲われてピンチに陥ったモルダーの前に手招きするようなネコが現れるとか。

まあ面白ければどっちでもいいんですけどね。

最大のポイント

ラスト近辺で際立つスカリーのカッコよさと、最後の締めです。妊婦の出産を手伝いながらも、謎の生物の弱点を見抜き、事件を解決に導いたスカリー。

銃を突きつけられているのに「目障りだから銃は降ろして!」とか「子供を取り上げるのは初めて。だからせめて邪魔をしないでちょうだい!」と、どっちが脅しているんだかよくわかりません。かっこいい。

最後の締めはそんなスカリーを絶賛するアーサー・デールズ氏。伝説の人物にしては、軽い感じがしないことないんですが、モルダーとスカリーを前にして、スカリーをほめまくる。

モルダーがいろいろと言い訳してましたが、まあこの辺はご愛嬌。事件を解決したのはスカリーでした。

X-ファイル シーズン6 第12話 ファイト・ザ・フューチャー Part2

シーズン1から始まった一連の「政府の陰謀」に区切りがつくエピソードです。

★★★★★

条件付きながら面白いです。緊迫した内容と意外な展開。なかなか政府の陰謀を理解しないモルダーにCSM先生がついに直接熱血指導!ぶちキレても可愛いスカリーに、ブレまくりのモルダー。男を上げたスペンダーに、相変わらずの小賢しい策を弄するダイアナ。そしてまさかの結末。まさかの結末のあとにもまさかの結末。part1とあわせてシーズン6の最高傑作です。

条件というのは、X-ファイル史上最強にストレスがたまる可能性が高いエピソードですから、ご覧になる方は、その点十分にご留意くださいませ。あと、コロニスト(異星人)しょぼいです。あれなら勝てるかも。

 

モルダーさん、もう1回北極で冷凍されて来れば?

Part1では、「殺して!」と懇願するカサンドラに銃口を向けるモルダーという場面で終わりましたが、モルダーが引き金を引けるわけもなく、突如としてCDC(疾病対策センター)が乱入するところから始まります。

ストレスの原因は、モルダー。第1話のビギニングをはるかにしのぐ強大なストレスが視聴者を襲います。ま、別にダイアナの存在はいいんです。そんな役割なんだから。それを何の疑いも無く、スカリーをないがしろにしてまで、ダイアナを信じてかばうモルダーに呆れるか、ガッカリするか、怒りたくなるか。このどれかです。

ダイアナのウソ八百を見抜き、カサンドラに会いたいと声を荒げるスカリーをたしなめるモルダー。アンタなあ、ダイアナの言う伝染病じゃないって知ってるだろうに。ダイアナとスカリーがやりあう間も黙るか、スカリーをたしなめるだけ。ついにスカリーはぶち切れて部屋を出て行きました。

モルダー、あくまでもダイアナをかばう

ローンガンメンの協力を得てスカリーは、ダイアナの怪し過ぎる過去を調べあげて、モルダーを呼び出しますが、ここでも・・・

「なんだ、そんなことか」
「それだけで有罪?」
「情報収集のどこが悪い」
「考え過ぎだよ」

ぬおおおおおおお!何?この変人。のらりくらりと。うんざりと言った表情もありありと。こんだけ怪しい情報が明らかになっても、ダイアナをかばうモルダー。なんなんでしょう。ここはストレス度MAX!!

こっこっこっ、このどあほ!!

Part1ではCSMがスペンダーに「少しはモルダーを見習ったらどうだ!」と怒るシーンがあるんですが、私あえてモルダーに申し上げたい。

少しはスペンダーを見習ったらどうだ!

スペンダーは「母を守りたい」と意思は一貫しているんです。ダイアナのように小物の分際で小賢しい策を弄することもありません。自分が助かりたいがために、父親にしっぽをふることもありません。最後までブレませんでした。

アンタな、S5 #2 帰還 part2で、死期が迫ったスカリーが何を言ったか覚えてねーのか。アンタが射殺したオステルホフの犯人を私だと証言してと。涙腺の弱い人なら泣いちゃうよ。

S2 #17 入植Part2で好き勝手に北極あたりに行ってカチンカチンになって死にそうになったのを救ったのは誰だって!

だからワシが言ったように、この役をマリタちゃんにさせればいいんだよっ!過去のしがらみなんかないから、モルダーだって正しく判断できるはずだっ!って言ってもしょうがないんだけど。まあマリタちゃんは私の希望通りに出て来ることは出て来るんですけど、ブラックオイルの実験台になってしまって・・・これはちょっと衝撃的でした。

CSM先生の熱血指導。モルダー君、君は誤解しているんだ。最初からな。

 

見方を変えれば、奴らはスカリーの引き立て役

いや、もう本当にストレスMAXなんですが、3回ぐらい見ていると実はこれが心地よくなってくるんです。見方を変えれば、ダイアナのウソ八百を見抜き、ぶち切れるスカリーは何もできないモルダーに比べて圧倒的にかっこいい。

いくら怪しい情報を目の当たりにしてもダイアナをかばうモルダーに「もう、あなたにはついてゆけないわ!」と部屋を出ていくスカリーも最高にかっこいい。つまり、ダイアナ「ウソ八百」ファウリーもフォックス「のらりくらり」モルダーも、スカリーの引き立て役に過ぎない。そう思えば何度見てもスカリーだけのカッコよさが際立ちます。

解明されない謎

CSM先生の熱血指導や、マリタや、カサンドラとの会話で今までの謎は多くが明らかになりました。でも前回も書いたようにスカリー、その他女性が埋め込まれた「チップ」については一切の説明がありませんでした。

今後明らかになっていくのか。このままスルーなのか。かなり重要なポイントだと思っているんですけどね。

反乱軍の動きも今ひとつスッキリしません。私の見落としがあったのかもしれませんが、何をやりたかったのか。「反乱」してたのはわかりますが。コロニストと反乱軍で地球外のどっかでドンパチやってくれて共倒れになれば、地球人としては万々歳なんだけど、そういうわけでもなさそう。

今回で、秘密組織は反乱軍によってほぼ壊滅しますが、CSMはともかくとして(この人までが死んじゃうと今後の話が多分成り立たなくなる)、ダイアナやクライチェックは生き延びました。最後の最後に男を上げたスペンダーはどうなったのか。

CSMがスペンダーに銃口を向け、銃声の後CSMが部屋から出て来るシーンで終わりましたが、このおっさんとて人の親。今回も少し人間らしい部分を見せていましたので、外したのではないかと思います。