X-ファイル シーズン9 全体の感想

自分の中で無駄に、必要以上に期待値を上げ過ぎてしまったというのは間違いなくあるんですが、それにしても前回のシーズン8が面白かっただけに、「期待していたほどは面白くなかった」というのが感想です。結末もアレだしちょっと残念でありました。

単発系が面白くない

ドゲットとレイエスの関係を描いた「4D」と「オードリー」は良かったです。「オードリー」ではスカリー様のあまりの冷淡さに激しい違和感がありましたが、ドゲットとレイエスの信頼関係というか絆を確認できました。

それ以外だと、最終回前の「サンシャイン・デイズ」ぐらいでしょうか。「数秘術」のような黒歴史に残るようなものもあったし(wikiによれば「特に難解なものであり、賛否が大きく分かれた」とのことですが)、まさかのレイラ・ハリソンちゃん復活(第14話 モンスター)は良かったですが、シーズン8の「孤立」ほどのインパクトはありませんでした。

新メンバーが魅力的でない

シーズン9から登場したブラッド・フォーマー副長官。モルダーさん不在のテコ入れなのか何なのかわかりませんが、いる意味がわかりません。NY支局時代にはレイエスと恋仲だったという設定も何だかなあ・・・「神託Part2」の最後ではほんのちょっと「カーシュの飼い犬(スカリー)ではないところを見せただけ。

カーシュより偉い無敵兵士のFBI幹部。それなりに存在感はあったんですが、ほとんどセリフもなく。カーシュを脅しているのがこのヒト達ということがわかったぐらい。まあ今やFBI上層部にも無敵兵士が入り込んでいることを具体的に示す必要があったんでしょう。

シガレット・スモーキングマンの不在

一番大きいのはこれです。シーズン8では1回も出てきませんでしたが、シーズン9では最終回の出演だけ。これまでX-ファイルを牽引してきた悪役にしてはあまりにもさみしい最後でありました。いつの間にか「賢者」になってるし。シーズン8ではビリーに追いつめられたモルダーとスカリーを助けるのはこのヒトにやってほしかったし、最後は無敵兵士どもを一掃するぐらいの花道を用意すべきだった。

悪役に圧倒的な存在感があってこそ、物語も成り立つ訳ですから、最後はやっぱり相応しい花道を用意していただきたかった。返す返すも残念。まあ、最後は言うに及びませんがとにかく最終回の1回しか出てきませんからね。フォーマーとか無敵兵士幹部とか出す意味がほとんどないですから、この方に最後のシーズンも元気に暗躍してほしかった

ドゲットの扱いが雑

これはね陰謀なんですよ、あいつらの。いつの間にかFBI上層部に無敵兵士どもが入り込んでいたように、X-ファイル制作スタッフにも「ドゲットに人気が出たら困る勢力」が入り込んでいるんです。脚本家なのか、監督なのか、わかりませんけど。

ダイモニカスでのドゲットなんてスカリーがキレちゃうほどひどい。今までの経験がどこいっちゃったの?というぐらいにぜーんぶ忘れてる感じ。超常現象的なものは全否定!

シーズン8ではカッコいいところを見せてくれたのに・・・

無敵兵士はほったらかし

シーズン8から唐突に出て来た無敵兵士(旧代替人間)。クライチェックは「新しいタイプの異星人」「人類を破滅させるため」と言ってましたが、ノエル・ローラーやシャノン・マクマホンは「軍部の50年にわたる開発」と言っています。

50年だとかつての「ハイブリッド」開発ともかぶさるわけですが、軍部の開発だとすると「異星人の侵略に対抗するためですか?」とかって思うんですよね。まあシンジケートのメンバーで軍部を掌握しているヒトが主導でやったのかもしれないけど、これまでの異星人に関する陰謀がすべて明らかになるシーズン6のファイト・ザ・フューチャーではそんなことは一言も・・・

無敵兵士とは言ってもビリーのようにほぼ無言の殺戮マシンみたいなのもいるし、シャノン・マクマホンのように自ら無敵兵士であることを話すタイプもいました。このシャノン・マクマホンは私が期待したキャラだったんですが、残念ながら1話と2話でおしまい。その後登場することはありませんでした。

ウィリアム

それなりに面白かった「ウィリアム」ではありますが、結局謎はほったらかし。

モルダーと一緒に異星人に闘いを挑むとか、モルダーが死亡の場合は異星人を導くとか。
いろんな情報があるんですが、どうも考えてみるとこれらの情報提供者はことごとくいんちきくさい。リジーもそうだし、クライチェックは言うに及ばず、カルト教団のリーダーとか。唯一まともなのが、FBIのコーマー捜査官でしたがこれにしたってカルト教団のリーダーの予言を真に受けてしまったに過ぎません。

最後は「普通の子供に戻した」うえで「養子」で退場させてしまいました。