クワンティコ FBIアカデミーの真実 第22話 新たな挑戦

Dlifeで放送中のクワンティコ FBIアカデミーの真実 第21話「新たな挑戦」の感想です。前回で真犯人が判明して、いよいよ最終回。

★★★★

リアムの今までの行動すべてが明らかになり、また緊迫感もあって最終回にふさわしい出来だったのではないでしょうか(少し棒読み)。

FBIは急展開でミランダを疑っていたのに、数秒で「リアム黒幕」が判明するとか、安易なところもありはしましたが、楽しめます。突っ込みどころは多数あっても、面白いことは間違いありません。

これだけは納得できません

最初にも申し上げたように面白いです。しかしながら、納得できないというか、それはねーだろ!と思う部分もいくつかありました。たとえば

  • サイモンが犠牲に
  • クレア・ハースもテロに関わっていた?
  • ミランダ副長官だそうです

こんなところです。中でもサイモンの件だけは、どうしても納得いかない。と言ったところでそういう脚本なんだから仕方ないんですけどね。

以前にサイモンがアレックスに預けた記念の勲章がありました。「それを持つ資格をえるまで」とかなんとか。あれがフラグだったのかなあと思ったりもしましたが、主要登場人物の中ではケイレブとともに数少ない魅力的なキャラクターだっただけに、この結末は残念。

なんでサイモンなの?

しょっぱい脚本書きやがって!くぉーんの野郎!!

高●総統、すいません!今はその勇姿を見る事は叶いませんが、マネさせていただきました。なぜならマネせずにはおられない最終回でありましたので。

前回予告の「捜査官がひとり犠牲に」・・・って。
意地悪ニマとか、今回も無能ライアンとか、前回撃たれたミランダじゃあダメなんすか?
だいたいサイモンは捜査官じゃねーし!!民間人だから!

いや、前回から悪い予感はあったんです。で、今回のオープニングでその予感は確定。アレックスでも、ライアンでもなく、サイモンのシーンが中心・・・

ううう・・・なぜあの役割をなぜサイモンが?

自分が解除できない核爆弾を作ってしまった自責の念もあったのでしょう。核燃料は取り出せるとウソをつき、車に爆弾を積み込み、そのまま川に車ごとダイブ。直後に爆弾が爆発。このドラマで一番キャラが立っていたサイモンは最終回に死亡してしまいました。

私は主人公よりも、サイモンとケイレブに思い入れがあったので(あと初期シェルビー、後期シェルビーとレイナ)、サイモンが自らを犠牲にしてアカデミーでの爆発を防いだのはどうにもこうにも、納得行かんのです。まあ解除できない核爆弾の製造にも関わっていたことから、こうなるのは仕方ないのかもしれませんが。

最終回とは言え数少ない「殉職してほしくないし、真犯人でもあってほしくない」キャラクターだっただけに、これは残念すぎました。

FBI部長のミランダやテロ合同班のライアンは何やってんだよ!民間人に助けられるFBIって・・・

それにしても、サイモンは退学になったとはいえ、アカデミーにいたわけだから、何らかの理由で「水深30メートルの川か湖がこの近くにある」ことを知っていたのはヨシとしましょう。百歩ぐらい譲って。

でも車が水深30メートルに達するにはしばらく時間がかかるのではないかと。いくら直前に窓を開けたといっても。いやまあこの辺は突っ込みどころではないのかもしれません。エール大学を主席で卒業ですから、わしのような凡人が突っ込んじゃあいけないのです。でも、核爆弾は不要。いくら何でも放射能汚染を軽く扱い過ぎ。

リアムがグランドセントラル駅を爆破したのはプラスチック爆弾だったから、それでいいと思うんですけどね。だいたいどうやって必要な材料を入手したのかもわからないし。いや、だいたいプラスチック爆弾はどこから盗んだ?FBI?

ミランダ副長官だそうです

ミランダが副長官になりました(棒読み)。ええって?かなりの脱力。こんな人事が通るなら、リアムがFBIを一度ぶっ壊して理想のFBIを作り上げるのもわからなくもない。

この人を副長官にするより、ケイレブやレイナを復職させたほうがFBIとしては役に立ちます。あとは、停職中のハンナを復帰させるとか。今回の事件を解決した功績なのかもしれないけど、このヒトがやった事と言えば
リアムに撃たれて、縛られていただけですから。

クワンティコのダメな点の一つとして重要人物である、リアムとミランダにそれらしい存在感がないことがあると思っているんです。まあ、ミランダは第1話でアレックスを逃がすという一発芸は見せたものの、それ以降はどうにもこうにも。

クレイトンにリアム解任を迫るのは単なるヒステリーだし、リアムとのラブシーンもどきと、NY支局での谷間強調は明らかな放送禁止レベル。

カンタンにサイモンを退学にするし。サイモンのライアンに対する壁ドンはダメで、双子が何時間もバスルームにサイモンを閉じ込めておくのはオッケーというのは、明らかにおかしい。ラングドン告発の件で「退学ありき」だったんでしょう。

公聴会だって、アレックスが陰謀説を撤回した瞬間に「次長」から「ミランダ部長」になってるし。

でもまあ、アレックスを逃がした一発芸と、前回、ケイレブとレイナの「今だけ限定復職」にごちゃごちゃと文句をたれるライアンに「私の指揮に従いなさい!」と一発かましたところだけは良かったですけどね。

クワンティコを解任されてからこの人、何をやっていたのかは不明。そしてなぜアレックスを逃がす行動に出たのかも不明。あの時は確か「捜査官」と呼ばれていましたから、NY支局にでもいたんでしょうか。

クレア・ハースがテロに関与?

サイモンのお葬式に来たクレア・ハースにアレックスが突っ込みます。「リアムが真犯人だって知ってただろ?」って。その会話を後ろで聞いていたケイレブ。

父クレイトンをテロで失い、母親がもしかしたらテロに関与していた可能性があるってことだと、ケイレブ君の今後は大丈夫?

まさか、もしかしてアレですか?夫は息子の元恋人シェルビーと不倫。で、奥様もリアムと不倫関係にあったりして。うげー、いらんです。そんなの。

夫の不倫相手にも素直に耳を傾ける度量のある副大統領候補という前回のままでいいじゃん!それで、前回は解決したわけだし。コレは余計でした。ただ、全編を通して「無能」と描かれているリアムが(公式サイトでも無能呼ばわり)一人であれだけの計画を立てられるとは思えないんですよね。いくらサイモンの計画をパクったとはいえ。

ライアン君は今回も無能だった

リアムが隠れていたアカデミーにアレックスと潜入するも、あっさりリアムに銃を突きつけられるテロ合同班主任に昇格?のライアン捜査官。その前には不用意にリアムに近づき一撃KOされてるし。

このヒト、アカデミーでは比較的まともだったんですけど、第12話の公聴会以降、何か活躍をしたという記憶がありません。華麗に復活した民間人のシェルビーちゃんや、薬物中毒から抜けたばかりのケイレブ。あるいはケイレブと協力してボイスの発信元を突き止めたレイナのほうがカッコよかった。

主人公を支える役柄なんでしょうけども、どうも無能感が漂います。ドラマの重要人物であることは間違いないんですが、今回も存在感がない。このヒトが今回やったことと言えば

●リアムに殴られて、縛られて寝てた。
●アレックスに救出されるも、あっさりリアムに銃を突きつけられ人質状態。
●リアムを撃ったものの、先にアレックスの銃弾がリアムの額を打ち抜いていたので、役に立ってない。
●みんなが爆弾をどうするか意見を出しているのに、自分は意見を出さずに、出た意見にダメ出しをする。
●アレックスに花束を持って行った。

これでは単なる足手まといでしかなかったように思います。

生きていたウィル・オルセン

これは良かったですね。ただし、「第3次世界大戦を防ぐ為に国家安全保障局から軍事コードを盗んだ」詳細は一切不明。まあ生きていたので良しとしますか。

出来れば最後に自分を犠牲にしてまで、サイモンを先に逃がすという男を上げまくったドリューにも生きていてほしかった。このドラマは結構、容赦なく人が死んでしまいます。

真犯人、即死

あっさりと、「かつて愛した新人捜査官(ミランダ)」に額を打ち抜かれた黒幕のリアム・オコナー暫定副長官。動機はさんざん、アレックスとライアンに聞かせたからいいのかもしれませんが、死ぬとは思ってませんでした。拘束して終身刑かなあって。アレックスなんてその日、リアムの娘に会ってる訳だし、まさかいきなりの射殺はないだろうと思っていたんですけどね。

ライアンに銃を突きつけ、アレックスと対峙する場面では、普通にここは「ライアンの命が惜しくば銃を捨てろ!」になるはずなんだけどなぜかそうなりません。アレックスさんは銃を構えたまま。一度ライアンを突き飛ばしてから撃つのと、そのままリアムを狙えるアレックスでは結果が見えているようにも思いますが、もしかしたらリアムは自殺したかったの?

黒幕と判明することで、ようやくこの人の存在感が出たような印象は受けました。アカデミー教官だと、存在意義がわからなかったので、これはこれでまあ納得。

エンディングは良かった

事件は解決。核爆弾による被害を防ぎ、みんなで良かった良かった。メデタシメデタシ(いっぱい死んだけど。)で終わらなかったのは「良かった」と思います。

最後、アレックスに接触した男、マシュー・キーズが出した名刺はCIAですから、シーズン2って「CIAアカデミーの真実」だったりして。できればこのマシュー・キーズの役をあのカルロスにやってほしかったものです。

じゃあ、初の任務は国家安全保障局から軍事コードを盗み出した元FBIアカデミーのウィル・オルセンの拘束だ!ってことにはならないんでしょうけど。

なぜかアレックスはFBIを解雇されました。明確な理由ははっきりしませんが、副長官さんは何とかできないの?シェルビーを正式に復帰させたのは良かったですが、もう最終回なので今更感もあるし、家業のマクレガー・ワイアットの月収が、FBI捜査官の年収ぐらいにはなりそう。シェルビーちゃんは一応嬉しそうにも見えたけど、家業のほうが良かったのでは?

アレックスの部屋で「みんなが残るのにあなただけが解雇だなんて」という会話があったので、民間人だったケイレブも、レイナもFBIに復帰したようですね。

女性みんなでアレックスの部屋をお片づけする中で、一人雑誌を読むケイレブはイケメンの特権ですか。

アカデミーの流れ

最終回のこの期に及んで何かやっていましたが、ここでは省略。相変わらず人間関係のゴタゴタとかやってました。アカデミーは前半で終わらせてあとはもう「現在」の真犯人探しで構成した方が良かったのではないかと思います。

全体の感想

長々と書いてみましたが、全体としては楽しめるドラマでした。研修中だろうが唐突におっぱじまるラブシーンにゲンナリしたり、登場人物に存在感がいまいち感じられないとかはありましたが、面白い事は間違いありません。

ただし、アレックスが逃亡生活を送っていた時が一番面白かったように思います。アレックスがFBIに投降してからは「現在」の展開が遅いし、アカデミーが極端にかったるくなってしまいました。

そもそも、真犯人探しの指揮を執るのが真犯人。1話から見ていれば、どうやったってリアムが真犯人だってわかりますから、この辺がどうもスッキリしないし、話が進みません。

それでも「現在」だけを通して再構成すれば、もっと面白くなるのではないかと思います。アカデミーにかける時間を現在に使うことでもっと綿密に出来たでしょうし。

あとやっぱり最終回の唐突さ。ミランだが怪しい→ミランダにはアリバイが!→リアムがいない!→リアム黒幕だ!とあっさりとリアム真犯人にたどり着いてしまいます。アレックスの言う事に誰もが疑問を持たないし。リアム真犯人って視聴者にはわかるけど、登場人物はすぐには納得しがたいと思うんですけどねえ。どうなんでしょう。

私はこのドラマのまずいところは、重要人物であるリアムとミランダに存在感がないこと、と思っていてどうしても二人の会話は、「夫婦漫才」に見えてしまうんです。番組公式サイトには「かつて夫婦だった」とありますが、二人の会話から判断するとこれは間違い第1話でハッキリと「もう恋人でも同僚でもない」とミランダはリアムに言っていますから。

それと人が死に過ぎ。

  • 研修生のエリック
  • アレックス無実のカギを握っていたグッドウィン捜査官
  • 退学になったイライアス
  • ケイレブの父、クレイトン部長
  • ナタリー
  • 退学になったドリュー
  • アンノウンのハッカー、ダンカン
  • ミランダの息子、チャーリー
  • サイモン
  • 真犯人のリアム
  • 一般人、捜査官など多数

ざっと思い出せるだけでこんだけ。多いです。しかも、誰もドリューやナタリーの死を悼んでいない。ナタリーなんて親権を争ってはいますが、子供いるんだし、ちょっと冷た過ぎじゃありませんか?ライアンなんて恩人のダンカンの死を単に自殺と片付けてるし。

と、長々と書きましたが、特に前半はかなり面白かったのも事実。アメリカではシーズン2があるようです。もしDlifeで放送するようなことがあればまた見ると思います。

Dlifeで再放送決定

2017/1/16からクワンティコが再放送です。
(月)深夜 12:00 AMから吹き替え版
(金) 深夜 4:00 AMから字幕版

今までと同じく、週1です。間違いなく面白いドラマであることは間違いありません。特にアレックスが逃亡生活をおくっているときは、ぐいぐいと引き込まれますが、最大のポイントは「真犯人は誰か?」ですからそれがわかってしまうと・・・2回目はまあいいかというところでしょうか。シーズン2があるとすれば、おさらいにいいかもしれませんね。