クワンティコ FBIアカデミーの真実 第9話 仕込まれた証拠

Dlifeで放送中のクワンティコ FBIアカデミーの真実 第9話「仕込まれた証拠」の感想です。第7話「犠牲の精神」、第8話「一大決心」と、かなりいい感じで来ました。前回のラストでアレックスが捜査本部に出頭したので、今回から流れが変わりそうですが、さて。

★★★★

今回もすごく面白い!今までのスリリングな逃亡生活から、一転。アレックスがFBIに出頭したので動きが少なくなるかと思ってちょっと心配はあったんですが、それを上回るスリリングな動きがありました。

退学になったイライアスがアレックスの弁護士として登場したり、同期のメンバーがほぼ全員アレックス側について証拠を集めたり、アレックスが一時的に別の機関に拘束されたりと、見所たくさんで見応えがありました。

X-ファイル シーズン9が始まるまでの「つなぎ」程度に見始めたんですが、ぐいぐいと引き込まれます。

見逃した方には、来週迄の期間限定ですが、Dlife公式サイトの「見逃し配信」を強烈におすすめします。

今回のポイント

相変わらず、過去と現在がひんぱんに入れ替わり、少しわかりにくくもあるんですが、実は書き出してみるとそう複雑ではありません。印象に残ったところをまとめてみると。

レックス、連邦判事に罪を認める

これが一番大きな動きです(ラストですが)。一応は「アレックスを信じた」オコナーが真犯人を捕まえるための作戦のようですが、オコナーを信じ切っていいのか。あえて「犯人に次の動きをさせる」のが目的ではあるんですが。

オコナーはどうもうさんくさい。第4話で射殺命令を出したのはクレイトン「不倫おやじ」ハース部長ですが、その前に「なるべく生かして拘束」と捜査チームに指示したのはオコナー。つまり場合によっては「射殺も可」ですから。

それが今回のたったの数時間で100パーセントアレックス側につくとも思えません。爆破テロの実行犯ではないのかもしれませんが、何らかの形で関わっているのは間違いないはず。なのでこのまま「よっしゃ!」とばかりに一気に立件→有罪確定へ、の流れだって十分にあり得るはず。

入学前からライアンにアレックスの監視を命じたのはこの人。一時は自主退学に追い込むようにライアンに指示を出していましたが、あれは何だったのかわかりません。もしかしたら、アレックスを守るために自主退学させることで、陰謀に巻き込まれることを避けたとか?それはないですね。

このまますんなりと同期のメンバーとオコナーで
「あとは残ったオレらで真犯人を見つけよう!」
「おー!」
と行くとも思えません。もしそうだとしたら、お話としては単純過ぎるんですよね。あと一波乱どころか、いっぱい波乱はありそう。

でもアレックスを犯人に仕立て上げたいのであれば、HIG(重要拘束者尋問グループ)に連行された時点でほっとけばいいわけで。わざわざ救出したのは、無実を信じているから?うーんわからない。

HIGに連行され、窮地に陥ったアレックスとライアンを救出したのはオコナーと他捜査員でしたが、それにしてもケイレブ、ニマとレイナ、ナタリーがアレックス無実の証拠をオコナーに見せ、ケイレブが「取戻せませんか?」と言ったから。

このままだとオレの立場ないから、あいつらはあとで説得するとして、ひとまずはHIGから取戻すぐらいはやっておくか。というほうが、しっくり来ます。

イライアスがHIGの危険性を指摘しても、クレイトンとリアムはあきらめムードだったし。

イライアスが登場。アレックスの弁護士に

驚きましたが、カッコよかったですね。意外でした。アレックスとイライアスの接点は、イライアスがアカデミーを退学になった時点で何もなかったようでしたが、第4話で、アレックスが卒業後のイライアス(退学だけど)について「FBIを相手に何度も無罪を勝ち取っている」と把握していたシーンがあったので、出頭前に弁護を依頼したのはうなずけます。

ケイレブ、ナタリーがアレックス側に

今回でレギュラーと思われる同期がほぼ全員、アレックス側につきました。オコナーとは違ってこれは信じて良さそうです。多分ですが。「コネぼんず」との印象が強いケイレブがしっかりと自分を持っていました。

イライアスと組んで、テキパキとニマ、レイナに指示を出すところがカッコいい。反面、不倫おやじは何も見せ場がありません。

あと卒業後で出て来ていないのはブランドンでしょうか。

カルロス生き返る・・・わけがない

バイオハザード2でアリスを助け、バイオ3でゾンビ共と爆死したカルロスが出て来たので「おおっ!」と思ったんですが、「証拠集めのためならなんでもやる」重要拘束者尋問グループHIGのグリフィン捜査官で悪役だったのが残念。

レックスを別の場所に連行し、目の前で負傷したライアンを痛めつけ自白を引き出すという非道ぶりを発揮。あれほど頼もしく見えた「アンノウン」がHIGに拘束されてしまったのが、悲しい。

私の中では アリス>カルロス>ジル なのでせっかくですから、もっとカッコいいカルロス(グリフィンだけど)を見たかった。

このHIGは実在の機関。オバマ米大統領、テロ関連の新尋問チーム設置を承認

少しイラつくアカデミーでの過去

5点満点で4点としたのは、アカデミーの過去で少々イラつく場面がありました。何故かオコナーが欠勤を続け、酒浸りの毎日。アカデミーの教官としてちょろ過ぎ。なのにアレックスがそれを何とかしようとする場面があります。ほっとけばいいと思うんですが、リアムは単なる「かまってちゃん」です。

それを知ったライアンはかなり複雑というかキレそうになっていましたが、これはわかる。アレックスとしては父親を重ねたのかもしれませんが、「オコナーからアレックスを守る」ためにあえてアカデミーに残ったんですから。というか、ライアンもさっさと「キミをオコナーから守るために残った」って言っとけよって。

クワンティコ青春白書は勘弁ですが、ライアンが父親や母親の秘密を抱えるアレックスの支えになっていたことは間違いありません。唐突なラブシーンはいりませんが、第7話でお互いの誤解を解いたあとの手と手が微妙に触れ合うシーンなんてすごく良かったんですけどね。

「オレは職場に戻る。残った理由(=アレックスをオコナーから守る)が間違っていた」とアレックスに告げるライアンが少々切ない。でもちゃんと言っとかないアンタも悪いだろうって。これがもとで傷心のライアン君は、ナタリーと急接近?

ライアンがいなくなれば、アレックスにとって痛手になると思いますが、次回予告ではまだアカデミーに残っていました。

怪し過ぎるサイモン

アカデミーではヘブライ語で、かつても出て来た「爆弾職人」オーレン(元イスラエル国防軍)と連絡を取る等。怪しさ満載。卒業後はアレックスを助けてはいますが、どうしても「グレー」な感じは拭えません。

そんなサイモン(アカデミー退学)を潜入捜査官に任命したクレイトンも怪しい。

イライアスもクレイトンに誘われたと言っていましたね。退学させたものクレイトンだそうですが。

特別講師を告発した件は確かに誰かに相談していればよかったのかもしれませんが、それにしても全員から突っ込まれ過ぎて、ちょっと可哀想でした。

え?何でそこまで?というぐらいの突っ込みの激しさ。「鬼の首でもとったように」「親の敵みたいに」そんな感じで、ちょっと理解できません。

これがサイモン退学(第3話)の原因になったのであれば、FBIも組織としてどうなのっていうのはあります。爆破テロに関わっていたかどうかはともかく、キャラクターとしては他のどの研修生よりもクセがあって魅力的なので退学されると困ります。

際立つ特別講師

今回の怪しい特別講師ラングドンはすごく良かったのではないかと思います。上品で知性的な感じですが、サイモンに疑われた時のハンバーガーを食べる仕草が怖い。ハンバーガーじゃなくて、サイモンの首根っこに食いついて引きちぎりそうなイメージ。

こういうキャラクターがいいんですよ。オコナーやミランダが怒ろうが怒鳴ろうが、「怖さ」を感じない。だからどうしてもドラマ全体が軽く見えてしまうこともあります。

今回のMVP

ケイレブにします。「過去」のアカデミーでは相も変わらずトレーニング中にシェルビーと「夜の格闘技」をおっぱじめたりしますが、「現在」では、アレックスの無実を証明する側に付きました。母親の件があったのでどうかと思ったんですが、グッドウイン捜査官の件も調査済み。カギを握るかもしれないグッドウインが死亡していたのは驚きでした。

研修では、優秀ながらも引っ込み思案的な印象のあるレイナを自分のチームに誘うとか、結構いい奴っぽい。過去の人質救出訓練ではパニックに陥った双子のどっちかをしっかりとサポートしていましたね。