X-ファイル シーズン9 第18話 サンシャイン・デイズ

X-ファイル シーズン9の第18話「サンシャイン・デイズ」の感想です。

半分コメディみたいなもので、最終回前にこれかよ、とも思いましたがコメディだけでは終わらない、これはこれで悪くないエピソードです。あまり緊迫化もありませんが、ドゲットの変化と最後の博士とアンソニーの絆で、かなりコロっとやられました。

シーズン9でいえばロッキー・ブロンジーノ博士だけが救いだった「蝿の王」とか、黒歴史にその名を残すであろう「数秘術」とは全然出来が違います。いい意味で。

★★★★

ただこれ、アメリカのドラマ「ゆかいなブレディー家」なるものがポイントになっていて、知っていれば違った見方もできたんでしょうけど、「それは何?どんなお話?」と気になって入り込みにくい面はあります。気にしなければいいんでしょうけど。これはローンガンメンの最後を描いた、15話 英雄に捧ぐも同じ。

顔はドゲット、中身はモルダー

前回の解放の効果が早くも現れたのか、頑固で超常現象には否定的なドゲットが驚くほど柔軟。レイエスに「本気で言ってるの?」と突っ込まれるほど。

まあようやくここまで来たかと。ドゲットは好きなんですが、時には頭からレイエスやスカリーの意見を否定するところがあって、ここだけはちょっとなあと思っていたんですが、これで新しいドゲットの活躍が期待できますね!と思ったところで、これは最終回の一つ前。「柔軟なドゲット」遅過ぎました。今更感がなくもないけど・・・ドゲットの新しい面が見れたことは良かったと思います。もっと早く見たかったけど。

レイエスは元々「霊感」とか「宇宙エネルギー」とか平気で言っちゃうし、スカリーはシーズン9では一歩引いたスタンスではあっても、シーズン8で宇宙旅行中のモルダーの穴をうめるべく超常現象には肯定的になったし、スキナーも円盤に乗って宇宙旅行に旅立つモルダーご一行様を見送っているわけだし、今回も空中浮遊を体験もしてるし。FBIの最後の良識ドゲットが超常現象に肯定的になってしまっては、あとはもう誰が歯止めをかける?まさかカーシュ?

ドゲットとレイエスの手つなぎシーン

最後、博士とオリバーの幸せそうなシーンを見て、手を握り合うドゲットとレイエス。「ドラマに余計なロマンスなんぞ不要。そんなことしてるヒマあったら銃の一発でも撃て!」というのが私のドラマに対する考え方なんですが、このシーンはなかなか良かったです。

先代がどうだったかと言うと、確かシーズン5と6の間の劇場版「X-ファイル・ザ・ムービー」の最後に手をつなぐシーンがあったはず記憶しています。恋愛関係ではない絆というところが私は好きなので、まあ淡い恋心はともかくとしてですね、先代も、現役もお互いの絆を確認したこの手つなぎシーンはすごくいいです。

そしてオリバーと博士の絆。博士はどっかで見たことあると思ったら、ERのアンスポー部長(ジョン・アイルワード)でした。NHKで見た世代としてはなつかしい。

最終回に向けての露払いというわけではありませんでしたが、ドゲットとレイエスの絆というか新しい関係を確認できたので、これは外せないエピソードです。正直言ってシーズン9は「まあ見なくてもいいか」という感想を持ってしまうエピソードも少なくないんですけどね。これはいいです。