X-ファイル シーズン6 第13話 アグア・マラ

40年前にXファイルを発掘した伝説的な人物(モルダーの証言)、アーサー・デールズの依頼でモルダーとスカリーがハリケーンが迫るフロリダまで出向いた事件。

★★★★★

ものすごく面白い!というほどではありません。まったくダメではありませんが、見逃してしまったとしても「まあ、いいか」で済ませられるようなエピソードでした。11話12話でスタッフの皆様が気合いを出し尽くしてしまったんでしょうかね。

前2回がシリーズ最高傑作と言ってもいい内容でしたから、その印象で見劣りしてしまうのかも。放送がその前であればまた別の見方も出来たかもしれません。

中途半端な印象

冒頭のシーンは母と息子が明らかに「何者かの侵入を必死で防いでいる」という緊迫していたものの、それ以降がどうにも、コメディのような、そうでもないような中途半端な感じではありました。コメディ回はダメってことではなくて、レインキングにしても、トライアングルにしてもいい出来で楽しめましたんですが、これはどうも中途半端感があります。

「謎の生物」に襲われるかもしれないという緊迫感はあるんですが、舞台となったアパートの住民にこそ泥がいたり、「このまま我慢すれば膀胱が破裂してアンタの子供が溺れ死ぬわよ」の強烈すぎる印象を与える妊婦と、「車もなければ定職もない」という恐妻家すぎる夫がいたり。

そうかと思えば、最初にデールズに依頼されたシプリー家なんか「謎の生物」に襲撃されて全滅しているわけで、コメディではすまん!とも思えます。でもBGMはちょっとヌケた感じのやっぱりコメディ風だったりと。

謎の生物に襲われてピンチに陥ったモルダーの前に手招きするようなネコが現れるとか。

まあ面白ければどっちでもいいんですけどね。

最大のポイント

ラスト近辺で際立つスカリーのカッコよさと、最後の締めです。妊婦の出産を手伝いながらも、謎の生物の弱点を見抜き、事件を解決に導いたスカリー。

銃を突きつけられているのに「目障りだから銃は降ろして!」とか「子供を取り上げるのは初めて。だからせめて邪魔をしないでちょうだい!」と、どっちが脅しているんだかよくわかりません。かっこいい。

最後の締めはそんなスカリーを絶賛するアーサー・デールズ氏。伝説の人物にしては、軽い感じがしないことないんですが、モルダーとスカリーを前にして、スカリーをほめまくる。

モルダーがいろいろと言い訳してましたが、まあこの辺はご愛嬌。事件を解決したのはスカリーでした。