X-ファイル シーズン8 第19話 孤立

今回からスカリーは産休。入れ替わりでレイラ・ハリソン捜査官が着任し、ドゲットと共に殺人事件の捜査にあたります。

これはかなり良い出来です。前回も良かったですが、どっちか取ることになれば絶対こっち。単発系ではシーズン8の中でも上位に来るいいエピソードでありました。見逃しは極力避けたい。

レイラ・ハリソン・・・FBIの経理担当。志願してX-ファイルに。現場経験はないが、事件の記録はほぼ記憶しているようなX-ファイルオタク。割と可愛い。

★★★★

短いながら良いシーン

冒頭、産休に入るスカリーが荷物整理に来ます。ここ短いですが見逃し厳禁のいいシーン。スカリーは「いろんな事を乗り越えて来られたのはあなたのお陰」と言い、ドゲットと抱き合います。間違いなくシーズン8を代表する名シーン。

ドゲットの反応が可笑しい。「ゆっくり休むといい」とか余裕かましているフリして、部屋を去るスカリーに「ただの産休だろ?」「ちゃんと戻ってくるよな?」と未練タラタラ。

スカリーは「ちゃんと戻ってくるよな?」に対して答えません。ただ意味ありげな表情を見せるだけ。「そんなの当たり前」だから答えなかったのか。「迷っているのか」あるいは「出産を機にFBIはともかく、危ないことばっかりやっているX-ファイルには戻らない」ことを決めているのか、わかりません。

スカリーが去った部屋で一人物思いにふけるドゲットですが、早々に足音が聞こえるとスカリーが戻って来たと思い、「やはり僕独りで留守を守るのは・・・」と嬉しそうな顔。まるでご主人の帰宅を喜ぶワンコ。だけど残念ながらスカリーの姿はなく、新任のレイラ・ハリソンが挨拶に。あの強面でこんなことやられると、このおっさん可愛いとさえ思えます。

シーズン8の最初では激しく対立していた二人ですから、ここまでの関係を築けたというところで私としては、なんかもうすっかり満足。コレを見れただけでもよかった。しかしながらポイントはまだあります。

モルダー飛び入り参加

ドゲットとレイラが捜査している殺人事件の犯人は、生物学者スタイツが変身するトカゲっぽい生物。最後は一時的に視力をうばわれているドゲットが、モルダーの声だけを頼りにこのトカゲ男を銃で仕留めるという見事な連携

シーズン8はもうすぐ終わりですが、この連携は良いです。モルダーはもう辞職しちゃったので、こういった連携は今後見る事が出来るのかはわかりません。前回でFBIを辞職したモルダーですが、今回は「FBI見学ツアーからはぐれた」り「散歩してくる」ことで、捜査に加わっています。

良かったレイラちゃん

新人のレイラちゃんは良かったです。回を重ねれば魅力的なキャラクターになるような印象も受けたんですが、今回で懲りてしまって1回でおしまい。残念。ドゲットもモルダーも犯人は生物学者が「飼っているトカゲ」と思っているのに、レイラちゃんだけはトカゲが生物学者の変身した姿であることを見抜いていました。

ドゲットのコミカルな面は、レイラとのやり取りの中でも少し見せてくれますが、それだけではなく優しいところもあるようです。最後、入院中のレイラをモルダーとスカリーが見舞いますが、ここでの会話は映画「X-ファイル・ザ・ムービー」のネタ。

見ていれば面白いんですが、見ていないとちょっとわかりにくい。どうせならテレビシリーズでの事件を取り上げた方が良かったのではないかと思います。

事件そのものは、人間が変身するトカゲ男ですからややチープな感はありますが、ドゲットの意外な面も見れたし、スカリーとの信頼関係も確認できたし、ドゲットとモルダーの連携でトカゲ男を仕留めることができたし。単発系ではすごくいい出来です。