X-ファイル シーズン8 第10話 バドラ

子供のように小柄な体のインドの行者、「シッディ」が人の体の中に入り込み、次々と殺人事件を犯すというエピソード。

スカリーのモルダー化とドゲットのスカリー化が顕著に現れました。お話は怖いです。前回がSFだったのに比べこちらは、ホラーと言ってもいいような内容。「チャック」(モルダーのお友達)も出ていて、割と重要な役割を果たします。

★★★★★


モルダーを意識し過ぎて、「常識にとらわれない」ことが先入観になってしまい、結局はモルダーにはなりきれない自分に落胆するスカリー。

今回は少しドゲットとスカリーの対立がありました。「常識にとらわれない」という発想がすでに先入観になってしまっていると、少しイラつくドゲット。確かに常識にとらわれない発想が犯人像の特定につながったのかもしれませんが、実は犯人(の姿をした)用務員を拘束できたのは、トレバーという少年のおかげ。

少年の活躍

犯人は学校に用務員として勤務していますが、最初に犯人を特定できたのは少年トレバー。二人目の被害者の息子、クエンティンと協力して、犯人がロッカーに入ったところを上から塩酸?か何かのビンを犯人めがけて落とします。子供なのに結構な活躍。しかもこの二人、最初のほうでトレバーはクエンティンに嫌がらせをしているんです。それを乗り越えて、見事な少年探偵団。

この関係が何故か印象に残りましたが、犯行動機はサッパリ。トレバーの母親や、クエンティンの父親までも殺してしまう理由がわかりません。インドで起きた化学工場の事故の報復?という考えもあったようですが、これだと無差別になってしまいます。

「モルダーなら」縛り

最後スカリーは少年の姿をした犯人を撃ちますが、ドゲットが到着したころには憔悴し切っています。スカリーにも、一緒にいた学校の職員にも、目の前の犯人がトレバーに見えているんです。

犯人に追いつめられたもう一人の少年、クエンティンにはちゃんと真の姿で見えていて、その少年の目を信じて、スカリーはトレバーの姿をした犯人を撃ちます。

駆けつけたドゲットには「モルダーならきっと男の姿が見えた」
「モルダーなら、先入観も偏見も持たずものを見る人だから。でも私にはそれができない」と言い、泣き出すスカリー。

スカリーさん、そんなの無理!

アレは少年だからこそ、見えたんです。モルダーだって無理。同じようになり苦渋の決断で少年(の姿をした犯人)を撃ったはずです。大人には「見えない」んです。

スカリーはきっと「モルダーなら」っていう思いが強すぎるのかもしれませんが、あれは天然ですから、やろうと思っても出来るものではないでしょうし。

ここしばらくスカリーのモルダー化が気になっていたので、女版モルダーは無理だと理解することで、少し力が抜けてくれるといいんですけど。