X-ファイル シーズン8 第5話 冥界の使者

冒頭、かなり重要です。2回目に見て気がつきました。
7歳の時に行方不明になった少年ビリーが10年後に戻ってきましたが、10年前の姿そのもので戻って来たというお話。全く成長することがなく、失踪中の10年間の詳しい話を聞きにドゲットとスカリーが捜査にあたります。

★★★★★


5点満点で2点。子供の事件って、X-ファイルでたまに見ますけど、原則全員救助。これが望ましい。いかにドラマと言えども子供が助からないのは困ります。

スカリーが診察する少年を見るドゲットの表情がなんともいえず哀しげ。かと思えば今回のドゲットは、少しチカラが入り過ぎというか、暴走気味。本当に誘拐捜査の経験あんのか?ってスカリーにキレ気味に言われるほど。

後で明らかになりますが、ドゲットにも子供を失った過去がありました。だからモルダーが誘拐事件では妹を思い出し暴走しがちになるのと同じで、ドゲットもそうなってしまうんでしょう。冷静なドゲットがかなりエキサイトする場面も。

このビリー、実はリアル過ぎる亡霊。触る事も出来るし、病院の検査も受けることができるんですが、亡霊。私の期待も虚しくもうすでに亡くなっていました。自分が埋められている場所を示しに来たのか、弟にも危機が迫っていることを示しにきたのか(これは霊媒師の発言から多分間違いない)。両方なんでしょう。それにしては無駄に弟をビビらせすぎではありますが。

ドゲット→スカリー。スカリー→モルダー

早くもこんな感じ。ドゲットに意見を聞かれたスカリーは、「異星人による誘拐経験者は・・・」なんておっぱじめちゃうし。コレはモルダーとは違ってすごい違和感。
自分の過去があるから、なんとか犯人を逮捕したいドゲットと、「普通の事件ではない」ことを認めさせたいスカリー。1話や2話とはまた違った意味で、対立する場面も。もう完全にスカリーは女版モルダーになりつつあります。ドゲットは男版スカリー。

ドゲットの家族に対する想い。今回はコレがポイントでしょうか。スカリーが「専門家に預けるべき」という現実的な提案をしても、聞く耳をもちません。でも具体的な解決策があるわけじゃあない。とにかく犯人はオレが逮捕する!暴走気味で冷静さを欠く場面もありましたが、ドゲットの執念が解決へと導きます。

犯人を追いかけるドゲットは、まるでT2でジョンとサラを追いかけるT-1000。見事な爆走で犯人を追いつめました。

ドゲットは「実体のある亡霊」に納得できませんが、スカリーは「そういうものだ」とドゲットを納得させようとします。まあ、納得いくわけがない。これでドゲットさんも順調にX-ファイルにどっぷりとつかり始めるんでしょうか。

見えて来たドゲットとスカリーの問題

二人とも真面目です。なのでぶつかります。特にスカリーは今後モルダーの役割を果たして行くのかもしれませんが、相手が自分のことを信じないとキレそうなんですよね。

例えばモルダー相手にスカリーがキレても、モルには受け止める余裕があった。これはまあ長年築いて来た関係があるからなんでしょうけど、ドゲットはここでは「新人」。超常現象には否定的な上に真面目。

ですから、どうしてもぶつかる場面は多くなりそうです。

前2作の、意地を張ったり強気だったりするスカリーを受け止めるドゲット。ま、これが良かったものですからまた見たいなと思っていましたが、今回はそうではありませんでした。残念。

モルダーだと愛嬌もありますが、スカリーが超常現象を語り出すと科学者だけにキツい。このまま女版モルダー路線を突っ走っていくんでしょうか。少し不安も感じます。