X-ファイル シーズン8 第4話 ロードランナー

ドゲット捜査官が着任し2つ目の事件。事件の内容よりも、今回もドゲットとスカリーがどんな関係を築いていけるのか。これに注目しています。前回でわだかまりはある程度はとけたようにも思いますが、まさか1回の事件ですべてがチャラなんてことはないでしょうし。

スカリーが地元警察の依頼を受け、検死のため単独で現地に向かいますが、携帯が「圏外」となった時点でイヤな予感。給油に立ち寄ったスタンドでガソリンと言って実は水を入れられ、車のエンジンが壊れ移動手段をなくした時点でもう決定。

これはX-ファイルで割とおなじみのパターン、スカリー危機一髪!なんです。あとはここにどう、ドゲットがからんで来るか。

S1の「ラザロ」。S2の「カニバル」「フェチシズム」。S6「ミラグロ」。S7「オリソン」などなどスカリー危機一髪はたくさんありますが、狂信的な集団に拘束される点から言うと「カニバル」にちょっと近いかも。

★★★★


ドゲットの男っぷりの良さと、しおらしいスカリーの可愛さ、あわせて星2つ。ストーリーは好きになれないパターンなので低いです。

検死に向かう途中の小さな街で男の看病をするハメになり、無駄に引き止められるスカリー。結局は街を牛耳るカルト教団に捕まり、腰の下あたりから彼らが「神」と崇め奉る巨大ナメクジを入れられてしまいます。神の器としてナメクジが適合すれば神と一体に。適合しなければ撲殺。

「スカリー危機一髪」系はどーにもこーにも好きになれません。特に「妊婦」ですから、従来の「痛々しい」がよりパワーアップして、痛々し過ぎるんです。もっと妊婦をリスペクトしないと。

今回の敗因

冒頭、スカリーが単独行動を取ったのは、確かに検死なら一人で十分というのもあったんでしょうけど、X-ファイルでは先輩としての意地もあるだろうし、「あなたなんか居なくたって」というのもありそう。

途中、公衆電話からドゲットに調べて欲しい事を伝えますが、「最近全ファイルを読んだあなたなら」とスカリーは皮肉っぽく言います。このシーンでは美しいスカリーの唇がゆがむので、ハラの中では、「はん、どーせ見てねーか、見ても理解できねーんだろ」と思ってそう。これがまだドゲットを信頼し切れていないスカリーの強がりというか本音というか。結局これが今回のピンチを招きます。

ドゲットの見せ場

スカリーが拘束されている家の中に侵入成功。そして見張り役みたいなのを一撃KO!ドゲットさん、なかなかやります。スカリーに寄生した巨大ナメクジみたいなものを、切開で取り出した(無茶過ぎ)あとは迷う事無く撃ち殺し、スカリーをお姫様抱っこして立ち去る。おおっっ!ドゲットがイケメンすぎる。

しおらしいスカリーと応えるドゲット

単独行動は、場合によってはありなのかもしれませんが、途中報告であり、明らかな職務違反(かもしれない)。検死だけとは言っても地元警察の手にあまるから依頼してきたのであり、事件としては明らかに「X-ファイル」に該当します。22歳の被害者の遺体の状態が90歳みたいなんだから。これもスカリーは事前にわかっていたこと。

 

ドゲットは退院の時にスカリーを迎えに来ますが、そんなスカリーを非難することもなく、今回の単独行動を謝るスカリーに対し、少し笑みを浮かべながら「嬉しい」と答え、スカリーが持ちかけたカバンをさり気なくドゲットが持ちます。なかなかのいい男ぶり。

ま、よーはドゲットは自分がスカリーにどう思われているのか。ということと、長年の相棒を失った彼女の心理状態。この二つをよく理解しているんでしょうね。

だからこそ、少し意地を張ってみたり、強がってみたりするスカリーの行動を非難することもありません。行動で信頼を勝ち取るといったところ。ドゲットはスカリーといい関係を築きたいと願っていることは間違いないです。