X-ファイル シーズン8 第1話 サーチ・フォー・モルダー Part1

シーズン7の最終話でモルダーがUFOに連れ去られてしまったので、シーズン8はモルダー捜索の「サーチ・フォー・モルダー」からスタート。

FBIはモルダー捜索のためドゲット捜査官をリーダーとする特別チームを編成。スキナーとスカリーはあくまでも「協力」する立場であると、新任の長官代理カーシュに言われます。立場として陣頭指揮がふさわしいはずとカーシュに異議をとなえるスカリーですが、通じません。

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面白いです!ま、シーズンの1話、2話というのは、気合いの入れ方が違うのか、ほぼ例外無く引き込まれるんですが、今回もそうなりました。特捜班のリーダーはドゲット捜査官(ロバート・パトリック)。ターミネーター2のT-1000の人です。

見つけるのは無理?

いきなりの疑問ですが、UFOが連れ去ったわけですから。彼らと人類のすさまじいまでの「科学力」の差を考えると、モルダー奪還は「どう考えても無理」。FBIの特別チームがUFOの捜索なんかするわけないし。ということで、今回はモルダーさんには申し訳ないがスカリーとスキナーを中心とした、人間ドラマであると言えるかもしれません。ここに特捜班リーダーのドゲットがどうからんでくるのか。

男スキナー、意地の宣言

イベントてんこ盛りだったシーズン7の最終話ですが、私はあえて一番印象に残ったシーンとして、スキナーが「モルダー失踪を涙をこらえてスカリーに告げる」シーンをあげました。ですから、今回はどうスキナーが活躍してくれるのか。UFOによるモルダー誘拐を「見た」とは言っても、実質的にはその分野の知識はなさそうではあるけれど、ここは意地を見せてほしい。

「モルダーは私が必ず見つける。だから心配するな。お腹の子に悪いぞ」とスキナーはスカリーに言います。スカリーのお腹の子を気遣うあたり、さすが男スキナーです。知識はないにしても、アテがないわけじゃあない。

スカリー、ドゲットを歓迎する

ただし、コップの水をぶっかけておいて、「歓迎の印よ!」ですが。

自分が特捜班のリーダーであることを伏せて、スカリーに色々と質問をするドゲット。実は目の前の捜査官が「ドゲット」であることに気がついたスカリーは紙コップの水をぶっかけます。ファーストコンタクトがこうですから、スカリーはドゲットと対立することになります。盗聴疑惑にぶち切れ、態度にぶち切れ。

そもそもが特捜班とは言っても通常捜査なんでしょうから、UFOに誘拐されたモルダーを探せる訳がないと、スカリーは最初から期待も信頼もしていません。

男スキナー、UFOの現在地をつきとめる

もはや完全なUFO肯定派のスキナー。ローンガンメンの協力を得てUFOがアリゾナの砂漠にいることを突き止めたます。最初は懐疑的な見方をするスカリーですが、UFOの次の回収目的があの「ギブソン」であると確信し、スキナーと共にアリゾナの砂漠に向かいます。

解決する、しないはまた別ですが、「唯一の手がかり」をつかんだのはスキナーあればこそ。男スキナー、時には中間管理職の悲哀を感じることもあるんですが、やる時はやってくれます。ただし、突っ走りすぎるとFBIでの立場が大丈夫なのか、気になります。モルダーとは違って副長官ですから、むやみやたらと「見た」「見た」発言は控えるべきだと、スカリーにたしなめられる場面も。

ドゲット、ズルしてアリゾナへ

何者かのリークで、ドゲットのチームもカギはギブソンにあることをつかみ(たなぼた)、アリゾナに向いますが、人の心が読めるギブソンは以前にもCSMから逃亡していますから、ドゲット到着直前に逃亡成功。

ところが、逃亡するギブソンの前に現れたのはモルダー?
そしてほぼモルダーはギブソンを連れて逃げますが、追いかけて来たドゲットに崖まで追いつめられる、というところで次回へ。

根本的な問題点

FBIがどんな過程を経てモルダー捜索の為の特別班を編成したのか。ここが疑問。スキナーがFBIに「モルダーはUFOにさらわれました」って報告をしたのか。仮にしたところで、FBIがそんなの真に受ける訳も無く。カーシュが「異星人だのと言い出せば、モルダーよりも職を探す事になる」なんて言ってましたからね。わかりません。

 

スカリーもドゲットも、思い入れに差があるにせよモルダーを見つけたいという気持ちは同じ。でも水と油です。異星人の存在なんか信じていないドゲットと、誘拐経験のあるスカリーだと当然激しくぶつかり合うだけ。

しかしながら、どちらかと言えば、頭からドゲットなんかいらね!的なスカリーよりも、対話を持とうとするようにも見えるドゲットの方が実は素直にも見えます。

事あるごとにスカリーの神経を逆なでするドゲットですが、「こっち側」に引っ張れればなかなか頼りがいがありそうにも見えます。異星人とか、超常現象とか否定してはいますが、それとは別にスカリーの話を効く素直さもあるようです。