X-ファイルおすすめエピソード シーズン5 第12話 吸血

あえてこのエピソードを最初に持ってきました。まれにみかける「ゆるめ」の設定であり、円盤も政府の陰謀も出て来ないんですが、「ゆるく」楽しめます。

★★★★★

冒頭、追跡中の犯人とおぼしき人物に追いついたモルダーが取り押さえた上に、胸に杭を打ち込む。という時点で「ゆるめ」の予感。そして牙とおもったものが「入れ歯」的なものであった時点で「ゆるめ」確定。

ダラスで起きた、牛が血液を吸い取られて死亡するという事件の調査をモルダーとスカリー。二人の視点で振り返ります。

シーズン5は「外れ」は極めて少ないんですが、その中でも大当たり!と言ってもいいエピソード。必見と言い切っても間違いではなく、自信を持って良いです!と言えます。

 

出張経緯

スカリーの視点から。牛から血を抜いた犯人を吸血鬼にしたいモルダーは朝から「すでに舞い上がっていた」状態。

ダラスまでの航空券を勢いよく机にバーンと出し、犯人はともかく吸血鬼で一択!問答無用でスライドを見せ、スカリーの言う「カルト教団」の可能性なんか全否定!

対してモルダーの視点では、スカリーは(今日も)機嫌が悪く、否定的。可能性として犯人が吸血鬼であることを遠慮がちに告げますが「もしくはそれに類するもの」と付け加えることも忘れません。

航空券もおずおずと遠慮がちに差し出します。スライドも「見てもらえるかな」
スカリーに「吸血鬼なんていないから」と全否定されても、とにかくスカリーの機嫌を損ねないように、気を使うモルダー。ここが結構なツボ。気の毒なほど遠慮がちなモルダーはちょっと可愛いかも。

 

地元の保安官に対する印象

スカリーの視点では、イケメン。控えめではありつつもお互いにいい感じのようです。保安官に知らないはずのファーストネーム「ダナ」と呼ばれたのはスカリーの妄想かも。

モルダーの視点では、スカリーは保安官登場の時点でラブラブモード突入!明らかにモルダーよりも保安官を信用してる雰囲気。いきなり「ステキ」ですからね。モルダーのやっかみもあるのか、明らかに歯が出過ぎ。吸血鬼について知識を披露するモルダーの横で「しょうがないでしょう、コイツって」というような視線を保安官に送り続けるスカリーが、やたらと可愛く見えます。

 

チャラ男モルダーとネガティブなスカリー

と、簡単に説明してみましたが、ポイントは何と言っても二人の意見の食い違いと、普段の相手に対する印象の違い。犯人が吸血鬼であるとか、ないとか。そんなのは大きな問題ではありません。

スカリーにはモルダーは強引でわがまま。人使いが荒く「軽い」男と映っており、モルダーには、自分の意見に対してすべて否定的で、怒りっぽく、不機嫌なスカリーという印象なんですね。

 

2度、3度と楽しめるエピソード

Dlifeで一度見たんですが、今回これを書くのにあたり楽天SHOWTIMEで購入しました。って割には内容薄いかもしれませんけど。

最初にスカリーの視点で次がモルダーですから、あとのモルダーの視点をふまえた上で、再度スカリーの視点で見てみるというのもいいです。モルダー視点でのスカリーの不機嫌な表情には吹きそうになります。

セリフも吹き替えと字幕では少し違いますが二人のスレ違いが楽しく、X-ファイルの中では異色ではありますが、十分に楽しめる傑作と言ってもいいでしょうね。シーズン5は「外れ」は少ないと思っていますが、その中でも、間違いなく上位に来る(私の中では)エピソードです。